奥穂高岳登頂

朝5時朝食。
でも、早出の人たちが起きだすから
その前には目が覚めてしまう。
あまり寝た気はしないが
ようは横になって体をやすませていればオーケーと
わかっているので不安にはならない。
今日もいい天気。
涸沢カールのテント団地を抜けて
涸沢小屋の前から登って行く。
すぐにガレ場になり
長い一本道で斜面をトラバースして
ザイテングラートの取り付きの下までちょうど1時間。
ここから稜線の穂高岳山荘まで休みなしのひたすらの
岩場の登りになる。
途中鎖場や鉄バシゴもある。
とにかく登る。
ようやくのことで角を曲がって
稜線の小屋が見えてきたときは嬉しかった。
この登りが2時間。
9時半に小屋に着く。
奥穂高岳と涸沢岳の間のコルにあり
ここで飛騨側の笠が岳が大きく現れる。
今夜はここに泊まるのでザックを置き
サブザックに水とおかしだけ入れて
奥穂高岳の頂上をめざす。
みんなが言うとおり
小屋からすぐの50メートルの岩壁が最難関。
登降する人が下から見えるが
しがみつくように動いている。
呆然とするが行くしかないので行く。
高度だけはどんどん上がり、
3点確保でそこを越えるといくらか楽ながれきの道になり、
ふりかえると北穂高の向こうに槍ヶ岳がほぼ同じ高さに見える。
何回かアップダウンしてじきにてっぺんに着く。
ほんとうのてっぺんは狭くて1人しか立てないが
すぐ下が広場で腰をおろす。
標高3190m。日本3位の高峰だ。
すぐ目の前のジャンダルムがただかっこういい。
てっぺんに人が立っているのが見えるが
あそこはさすがに行かない。
あんな岩峰にどうやってみんな登ったのか不思議だ。
ゆっくりしたいが登りより下りの方がこわい。
つまづいてころんだら落ちてそれまでなので
ドキドキしながら下り、小屋の前に着いた時はほんとにホッ。
宿泊の手続きをし、お昼にラーメンを食べたあとは
ただ景色に見入るのみ。
眼下に涸沢カールがよく見える。
夕方、西側に雲海ができそこに日が沈む。
そらが赤く染まる。
夕食後、さっさとふとんに入る。