井崎哲也さんは、トット基金・日本ろう者劇団の看板俳優で、NHKの手話講座の
講師もつとめています。
今回、演じてくれるのはサインマイムです。
パントマイムが体全体で演じるのに対し、サインマイムは体の前で
指先でさまざまなことを見せていきます。
たとえば、パントマイムでは歩く演技は全身で歩くふりをしますが
サインマイムでは人差し指と中指を下に向けて交互に前に出します。
それで「007」であったり「決戦、巌流島」であったり、
エンターティメントな芝居を演じていきます。
「007」ではジェームスボンドが敵とカーチェイスをし、バンバン打ちあい、
あいまに金髪のおねえちゃんとイチャイチャするストーリーを
しっかり、指先だけで表現して、
信じられないことにぼくたちはそれで大笑いできるのです。
そんな…と思う方はぜひ、プークへどうぞ。
数年前の明治安田生命ホールでのものがたりライブの時も
ゲストに来ていただきましたが、プークはそれより小さい会場なので
サインマイムの世界を、より近くで楽しめると思います。
また、ろうの人への拍手のしかたがあるのをご存知でしょうか?
早く常識になるといいなと思いますが、それもちゃんと先にレクチャーします。
手で音をだす拍手より、うんとはなやかな拍手です。
とくに子どもたちに教えてあげたい。ぜひ、親子でおでかけください。
ぼくと井崎さんの出会いもとても古いです。
ステージを見に行きました。
当時、まだ、ろうの人の芝居と言うと
なにか障がいを持っている人ががんばっているんだろうな、
メッセージを聞かされるんだろうな、とステレオタイプで
考えてかまえていたところへ、
底抜けに明るい娯楽大作を見せられて、なんと自分がワンパターンで
ものごとを考えていたことよと、視野の狭さをただされる思いがしたものです。
大会場向きではなく、プークのような小さい空間で見るのが最良です。