最後の日。
ホテル出発は11時。
それまでフリーと言うことで
7時半に岩城さんとトラムで町に出る。
歩いて橋を渡ってペスト側へ。
尖塔が365本あるという国会議事堂の壮麗な建物を一周。
駅まで行って、コダーイ記念館の前まで行って
デパートのおもちゃ売り場をのぞき、
ぼくは最後のフォリントをつかいはたすつもりで、
パン屋でパンを買い、ひたすら歩いて10時半に
ホテルに戻って荷造りをする。
バスでブダペスト空港へ。
1時間半のフライトでドイツのフランクフルトへ。
そこから羽田まで10時間のフライト。
映画を三本見る。
天気にもめぐまれ、楽しい旅だった。
心に残ったことはたくさんあるが
一番は王妃エリザベートのことだろうか。
ヨーロッパ史について、ぼくは世界史でやった以上の
ことはまったく知らない。
本も読んでいない。
ハプスブルグ家といったところで、名前を聞いている
程度だった。
ちなみにハプスブルグ家・オーストリア国王の
王妃エリザベートは絶世の美女。
クレオパトラや楊貴妃も美人と言うことになっているが
実際のところは誰もわからない。
だがエリザベートは日本でいえば明治時代の人だから
絵も写真もたくさん残っている。
文句なしの美女。
ネットで画像はいくらでも見られる。
最後は暗殺されて数奇な生涯を終えるが
その結婚がとりわけドラマチック。
フランツ王子と結婚する予定だったのは
姉のヘレネで、妹のエリザベートはお見合いについ
ていっただけなのに
王子は妹の方に一目ぼれしてしまい、
皇后に直訴して結婚にこぎつける。
結婚は家と家がするものだから、
親としては姉が妹にかわったところでいいのかもしれないが
はずされた姉のヘレネの心境に想いを馳せると胸が痛む。
で、そのエリザベートがハンガリーびいきで
ハンガリーオーストリア二重帝国の帰趨に影響する。
1人の女性が美女であることで
世界史に影響をもたらすなんてことが
ほんとにあるんだ。と知った。