鳥栖から佐賀

晴れ。暑い日になる。
半袖のTシャツ一枚で十分。
鳥栖から西に向かう長い一本道の車道を歩き出す。
幸い、坂はほとんどない。
単調なだけ。
10数キロ歩いたところで吉野ヶ里に着く。
道沿いでロスもなく、遺跡に寄っていくことにする。
広々して気持ちがいい。
来たのは10年以上前だが、
ずいぶん復元された建物が増えている。
ここは邪馬台国九州説をとる人にとっては、最大の候補地。
田植え前の田んぼには、レンゲが一面に咲いている。
春休みで家族連れも多い。

ここから佐賀駅まではあと11キロ。
お昼をガストで食べて、また歩き出す。
どうしても軽快に歩けるのは午前中で、
お昼を食べてしまうとペースが落ちる。
食べて体が重くなるからか、足が歩かない楽さになれてしまうからか。
だからなるべく昼食を遅い時間にしたいのだが、そうそううまい具合に
ちょうどいい距離でレストランが出てくるわけではない。
 スマホにレストランやコンビニの位置が出るので、
前もって予測がつくのが、今年からの強みだけれど。
 ともあれ、昼食は歩いている時間の最大のイベントで楽しみだ。

なんとなく家が増えてきて、佐賀のはずれの住宅街というあたりで雨になり、
いそいで傘をさして佐賀駅まで歩く。
ホテルは駅前。
去年まではめざす町に着くと、とりあえずホテルをさがして
「今日の空きはありますか」とドキドキしながら訊いていた。
それで泊まれればよし、満室と言われるとほんとに力が抜け、
その状態で、さて、どうしようと考えたものだが
今年は昼の間にスマホで検索して夕方の予定到着地の宿をさがし、
予約することができてしまう。
絶叫したいくらい楽だ。
今日は27キロ歩いた。