ここは廃炉関係の作業員が大勢泊まっているホテル。
一人暮らし用のアパートもとても多いらしい。
朝、ホテルに図書館の司書さんが迎えにきてくれて
学校へ向かう。
今回の催しは図書館がぼくを呼んで
学校に派遣するスタイル。
図書館と学校の連携が密な町だからできる理想的な関係。
富岡第一小、第二小、富岡第一中、第二中の四つの学校がある。
七年間、帰還困難区域に指定され、昨春解除。
ただし二小、二中の地域は今もだめ。
だから四校が集まって一か所で昨春、学校を再開した。
避難していた三春町の方の富岡小学校もそれはそれで続いているとのこと。
三春町に避難していた葛尾村の小学校で何回かものがたりライブを
させてもらったとき、近くと言うことで富岡第一小と第二小の子も
バスで聞きに来てくれたのを思い出す。
で、まずは第一小第二小の全校生徒あわせて16人にものがたりライブ。
続いて第一中第二中の全校生徒10人にものがたりライブ。
7年の空白があるから生徒の激減はしかたがない。
ここからスタートだ。
後ろには先生、司書さん、図書ボランティアのみなさん。
みんなに笑ってもらう。
そのあと町立図書館を見学させてもらう。
こちらも長い休館をへての再オープン。
よく考えて設計された建物。広い。
森に向かって大きなガラス張りの一角があり、
そこのソファーに座ってきれいな森を見ながら静かに読書できる。
とてもいい。
司書さんやスタッフもみんな熱心。
除染の問題やさまざまな制約をのりこえて再オープンにこぎつけた。
児童書コーナーには、今日に合わせてぼくの本の特設コーナーも。
ただ、なんとしても今は人口がいない。
町の子どもの数は学校の生徒数だ。
それに乳幼児がどれだけいるのだろう?
原発関連の本は賛成も反対も基礎資料もあわせて充実。
これは地域柄、ここに来ればなんでもある図書館という
ことになる。
学校に戻り、給食をいただいたあと、校長先生が車で
町内を案内してくださった。
津波でやられた港、誰もすまなくなった家々、
更地ばかりになった目抜き通り、残された大型スポーツ施設いろいろ。
最後に駅へ。
あつく礼を述べておりる。
この駅ももうすぐ常磐線が全線開通する。
車社会だから、その効果がすぐ出るかはよくわからないが
鉄道がつながるとなぜかとても安心する。
夕方、都内に戻る。
原稿を持ってファミレスにこもる。