紅が遊びに来ると
必ず最初にぼくの部屋に来て「絵本読んで」という。
ぼくの本棚から
ぼくが一冊、紅が一冊選んで
読んでやることになっている。
帰る時も「帰る前に読んで」と来るので
同じことをしている。
短い絵本なら三冊と言うこともある。
ところが今日は紅は風邪ぎみというので
寝たままで聞けるおはなしにきりかえる。
ふとんに入って上を向いて話をしていると
気持ちいいし、どうしても眠気が来て
そのたびに紅にたたかれて
続きをうながされる。
で、ひねつた話をする気はないので
「はなさかじいさん」や「三枚のおふだ」を
まともに語る。
ステージでやったことはないので
あらすじをその場で脚色して即興で
しゃべるが
オノマトペをでっちあげるのが自分でやっていて楽しい。