一日目

青短も来年三月で閉校になる。(専攻科だけあと一年あるが)
ぼくの授業もこれで終り。
毎年9月に4日間の集中授業を12年やってきた。
残暑でいつも暑いが今年も暑い。
マスクだからよけいにそう感じる。

学内には学生はもう三年生しかいない。
今回の受講生は8人。
最初の頃は50人以上いたから
ずいぶんさびしくなった。

初日は鉛筆ゲーム。
朝10時開始。
コロナ対策で全体に短縮授業にし
ラッシュの後に来てラッシュの前に帰れるように
スケジュールを組んだ。
4時終了。

宿舎で着替えて地下鉄で上野へ。
上野鈴本演芸場。
メンバーがとてもいいのででかけた。
トリが柳亭市馬で中トリが古今亭菊の丞。
他に古今亭志ん輔と本寸法が揃う。
他に4代目の園歌も。

演目がふたつおわるごとにスタッフが通路に立って
マスクの着用を呼びかける。
最前列はあける。
もちろん演者はマスクはしない。

紙切りの正楽が出てきて「お題をいただきます」と言うので
「ゴジラ」と声をかけたら
すぐに切ってくれた。
その最中、下座が三味線でゴジラのテーマをひきだしたので
客席がどよめいた。やるものだ。

市馬は話のスケールが大きくて好きだ。
とにかくのびのびしている。
ネタは「首提灯」。これは寄席に来てしぐさを見ないと
おもしろさがわからない噺。
こういう話も楽しい。
遅く宿舎に戻る。