朝の土讃本線の特急で瀬戸大橋を渡る。
いつもながら、丸亀城と飯野山が見えてくると
「青空晴之助」を書くために取材で通ってきた頃を思い出して
なつかしくなる。
高知経由で窪川に朝11時着。
昨年は室戸岬をまわつてここの23番岩本寺まで歩いて区切りにした。
今回はその続きで四国の西南部を歩くことになる。
初日は足慣らしの意味も含めて、あえて半日行程。
窪川駅前の旅館に荷物を預け、12時から空身で西へ歩き出す。
車道をてくてく歩き、坂を下って川に沿って海をめざす。
夕方の5時に土佐佐賀駅着。
一両編成の土佐くろしお鉄道に乗って窪川に戻る。
車内はなんとクリスマス仕様で電飾が天井いっぱいにピカピカ点滅している。
しかし、他に客はいない。
外はもう真っ暗だから、外の人にはこの車両の室内だけが浮き上がって見えているに違いない。
こちらからも黒く沈んだ山間にときおり、遠くの家の灯が見えるばかり。
まるで銀河鉄道で旅をしているよう。