彼が愛したケーキ職人

夜、塩尻の東座で映画を見る。
ドイツとイスラエルの合作映画「彼が愛したケーキ職人」。
不思議な静寂が漂う、いい映画。
恋愛映画。
男二人と女一人。
と、書くと三角関係のようだが
1人の男をはさんで、その男を愛した男と女がいるという関係。
ひとつひとつの画面が端正にていねいに撮られていて
音楽で言うと音の粒がそろっているという感じ。
どのシーンもセリフは少なく、しかし
嫉妬や疑いやあきらめを役者たちの表情で見せていく。
舞台はカフェでケーキを作りながら話は進む。
 ラストシーンが絶妙。
「シェルブールの雨傘」のラストを思い出した。
ほろ苦くて甘い。
大人はこうでなければいけないか。

 東座は食べ物が出てくる映画ではたいてい立体企画をやっていて
今回も映画に登場するのと同じ「ドイツの黒い森ケーキ」と
シナモンクッキーを
市内のパティシェに作ってもらって販売している。
当然、予約して手に入れた。
今夜はもう遅いから、明日食べよう。