偕成社から新刊「こんどこそは名探偵」の見本が送られてきた。
中川大輔さんの手になる表紙の
ミルキーがいつもの のほほんとした顔と違ってキリッとしている。
「こんどこそは」の意思表示か。
なかみは「ひっこしてつだい事件」「ミスラビットにはかなわない」
「バスカビル家のネコ」の三本。
自分で言うのもどうかと思うが、三本ともさわやかに仕上がったと思う。
「ひっこしてつだい事件」はぼくが大学の時、
友人のひっこしをてつだったときの実体験をヒントに書いた。
学生でみんなお金がなかったし、車の手配ができなくて、
家具を西武線ではこんだ。
ぼくは本棚を持って電車に乗った。
その話を拡大して、今回はミルキーとぼうずすすきだに
ソファーやベッドを電車ではこばせた。
実際に満員電車でやったら、ひんしゅくだろうなあ。
「ミスラビットにはかなわない」は
中川さんがシリーズ史上、もっとも美人にミスラビットを描いている。
ミスラビットの知恵にはとてもかなわないという
神々しさが出ているかも。
「バスカビル家のネコ」はもちろん、シャーロックホームズの長編
「バスカービル家の犬」からいただいたタイトル。
読者の子どもたちがどれだけ知っているかはわからないけれど…。
「バスカビル家のネコ」というタイトルだけが
なぜか突然、頭に浮かんで、それからいろいろ作りだした話。
暗号ものは、えてして作者だけがおもしろがって
読者はしらけて考えずに飛ばすことがあるので、
そうならないよう最初から考え方のヒントをだしたり、工夫した。
5月3日~5日の上野の森親子フェスタが初売り
(5日の2時~2時45分はサイン会もやります)で
そのあと5月中旬から全国一斉発売予定。
お楽しみに。