田原坂へ

朝一番のフェリーで熊本に渡る。
一時間の船旅。
島原に来たのは初めてで、天草の乱の舞台になった原城も行きたかったが
まだここからずいぶん南なので断念。
また、江戸時代の大津波「島原大変」や
1991年の雲仙普賢岳の火砕流とか、災害についての展示をした
「がまだすドーム」は行きたかったが
運悪く今週だけメンテナンスで休館とのこと。
これは残念だった。

熊本港から市内へは単調な道。
昔からの港町は趣きがあるが、新しい港はただまっすぐな広い自動車道が
あるだけでおもしろいことはなにもない。
もくもくと10キロ歩いて熊本駅に着く。
今日の宿は駅前にとったので、荷物を預け、空荷でさらに歩けるだけ歩くことにする。
めざすは18キロ先の田原坂。
西南戦争の激戦地。
うちの父がよく「雨はふるふる、人馬はぬれる」と田原坂の歌を歌っていた。

上熊本は市内の道でそこから先は田園風景。
やがて丘陵になり、夕方、田原坂に上がる。
ここには田原坂の戦闘の資料館があり、
ここに来るのも島原→熊本コースに決めた理由の一つだ。
西南戦争は物量や補給を考えたとき、どう考えても薩軍が勝てる戦争ではなかったが
それにしても、熊本城攻めがよかったのかどうか、
もう少しうまく戦えなかったものかとは思う。
あまりに正面からつっこんで、みんなむざむざ死んでいる。
 それなのにそのやり方がなぜか称賛されて
日露戦争の旅順攻略戦から太平洋戦争のガダルカナルまで
踏襲される。
 全然いい結果が出ていないのにだ。
日本の近代は、いい指導者が出なかったためにほんとに大勢死んだと思う。
 田原坂を木葉駅に下り、そこから電車で熊本に戻る。