子どもを叱る

ひさしぶりに、知らない子を叱った。
子どもを叱るのはあまりいいものではない。
どうしても、悪役っぽくなるし、
なんとなく子どもの気持ちもわかるときがあるし。
叱ったあと、こっちがおちこんだりもする。

夕方、近所の温泉に行く。
ぬるい湯舟につかって、いつものように文庫本を
読んでいたら、突然、小さい男の子と女の子が
戸をあけて入ってきて湯舟にとびこんできた。
 はしゃぎまわる。
父親はまだ脱衣所にいるらしい。
やれやれ、しかたない。
ひさしぶりに子どもを叱った。

「洗い場を走り回るな」というのではない。
洗い場はすべってころびやすい。
でも、それはまあ、自分の問題だ。
ぼくが叱ったのは「人が入っている湯舟の中を走り回るな」だ。
誰だって叱ると思うから、こちらの落ち込みはまったくない。

でも、叱られるの意味が分かってない。
多少はしゃぐのはまったくかまわないのに、
あわてて出て行ってしまった。
叱られなれてないなあ。