精霊の守り人

昨日は松岡享子さんの講演会だったが、
今日は上橋菜穂子さんのトークショーがある。
車で長野の黒姫童話館へ。

黒姫童話館は気持ちのいい丘の上にある。
なんだかんだ二年に一回くらいは行っている。

この夏は「精霊の守り人」展というのをやっていて、
それにあわせたトークショー。
200人入る会場はびっしりいっぱい。
すばらしいのは客席が若いこと。
中学生、高校生、20代、30代が多い。
ふつう児童文学の講演会と言うと
おばさん、おばあさんが多くなるのに
こんなに若い人が多い講演会はひさしぶりに見た。
上橋さんが登場すると、みんな、目がハートになっている。

ステージは上橋さんがパワーポイントでスクリーンにいろいろ映しながら
守り人や自作にまつわるエピソードを1時間語り、
そのあと40分くらいが質問タイム。
 子どもは「どうしたら作家になれますか」とか
「次はどんな本が出るんですか」とか、わかりやすい質問が出るが
大人の方は自分の話ばかりで質問の体をなしていないものもある。
ただ、とにかく上橋さんと話したい、本を読んでの自分のあふれる思いを伝えたいという気持ちが
先行してしまうからだろう。
 それほどの感動が読書からあったということかと思う。

終ってから会場の客でジャンケン大会。
勝った人だけが上橋さんのサイン会に並ぶ権利が与えられる。
上橋さん、ほんとに大スター。
児童書畑から出発して大人の読者も巻き込み、さらに突き抜けている。
ミステリーとか時代物とかのジャンルで、しいて分類すれば
ファンタジーということになるのだろうが、
比べられる人を思いつかない。
もうジャンルも突き抜けて
上橋さんは上橋さんというところに、とっくの昔に行っている。

で、サイン会はなかなか終わらないし、
あちこちの出版社の編集者がとりまいているし、
上橋さんとは旧知なので、ごあいさつだけして失礼する。
 これはうちわ話になるが、ぼくのミルキーのシリーズと上橋さんの守り人のシリーズは
どちらも偕成社で、しかも同じ編集者がずっと担当してくれている。
 「だからなんだ? 全然レベルが違うぞ」といわれればそれまでだが、
同じ母を持っているような妙な親近感を、
ごめんなさい、こっそり持ち合わせている。