一日中、部屋で腕に点滴したまま、パソコンに向かう。
ときどき、点滴スタンドをガラガラひきずりながら
病院内を散歩する。
部屋は三階だが一階に行くと新聞スタンドがあるし、
小さいながら売店もあり、一日三回くらいウインドーショッピングをするが
一回一分で終ってしまう。
絶食中だから買うものもないし。
壁には外科だの内科だののさまざまなお知らせが貼りだしてあり、
活字があれば読まずにはいられない悲しい性で、はしから読んでしまう。
急に病院事情に詳しくなった気がする。
総合病院だからほんとに大勢の人が働いていて
ぼくの部屋にも看護士さん以外にいろいろな人がくる。
そうじには東南アジア系の女性が大勢いる。
みな、日本語もじょうずで驚く。
対応はとても丁寧で、どの人もきびきびして、
入院中、むっとさせられるようなことは
ただの一度もなかった。
激務だと思うし、中には性格の悪い患者もいるだろうに
看護士さん、ほんとにえらい。