エッセイの続きをそろそろ

偕成社の新作「こんどこそは名探偵」は今
画家の中川大輔さんが、がんばって絵を描いてくれている。
それが済むと、もう一度、ぼくの方に著者校正が来るが
今のところは絵の出来上がりを待つ段階。

ポプラ社にはおばけ話絵本「ばけねこ」の第一稿を送った。

おはなし迷路ポスターの新作「よくばりないぬ」と「おおかみがきた!」も
原稿を書きあげて、来週印刷会社に持っていくことになっている。

と、いろいろ一段落して
次はこのホームページのエッセイ「よい語りわるい語り」を
久々に書かないと、と思う。
ところがこれがどうも筆が重い。

今までずっと、語り手がステージに立つ前に
注意すべきことを具体的に書いてきた。
いって見ればおはなし会の作り方だった。

この先は第二部。
ステージに立ってからのことを書くつもりだが
なにが気が重いかというと、
既成の語りの講習会の講師が言ってきたことに
まっこうから、かみつかざるをえないことがいろいろあるから。

たとえば「語り手の身振り手振りは、聞き手の想像力のじゃまになる」なんて説を
まことしやかにとなえる人がいる。
けっこういる。
誰が言いだしたんだか知らないが、そんなことはない。
たとえば、語りのプロである落語家はみんな、身振り手振り豊かにやってる。
むしろ想像を助けている。

 ある語り手が「私はなるべく身振り手振り抜きで語りたいです」というのは
本人の自由だが、それが語りの本道のはずがない。
「クラシックしか音楽とは認めません」と言っているようなものだ。
いろいろな語りがあってよく、
聞き手はさまざなタイプの語りを楽しめばいい。

そういうふうに今までの語りの講習会の講師が言ったり書いたりしてきたことに
「それは違う」と思うことが、実はとてもたくさんある。
それをなるべく、ひんしゅくを買わず、
敵を作らず、書くにはどうすればいい?
といって、もう忖度する歳でもないし…。
もうすぐ、書きはじめます。