以前、なにかの本の特集で
外国のサスペンス小説のベストテンに入っていて
おもしろそうと思ったが絶版ときいていた本を
古本屋で見つけて購入した。
ハヤカワ文庫の「自由への逃亡」。
出てくるのは男が一人と犬が一匹。
ほかはほとんど出てこない。
舞台は南米のどこか。
政治犯で投獄された男が
労働のすきを見て
看守を殺して逃げ出す。
殺された看守は死ぬ間際に、見張り用の猛犬に
「やつを殺せ」と言い残す。
そこで荒野や森を逃げる男と追う犬の話が始まる。
男の視点と犬の視点を入れ替えながら
えんえんと続き、鼻のいい犬はついに男が都市に入っても
ビルの6階まで階段をあがって
追いかけてくる。
こういうたったひとつの設定で盛り上げていく本は好きだ。
それで飽きさせずにひっぱっていくのは
相当の力量が必要と思うが。
おもしろかった。