晴れ。
こちらの三月の日中の平均気温は0度~5度と
聞いてきたが、10度を越えている。
ジャンパーで来てよかった。
一行には厚手のコートの人も多く、逆に暑がっている。
ただし、先週までは寒波だったそうで、道のそこかしこには
まだ雪がとけずに残っている。
朝、バスで高台にあるプラハ城へ。
ところが今日はチェコの大統領の就任式の日で
城前広場が会場。
ものものしい警戒と一部立ち入り規制。
それはそうだろう。
聖ヴィート教会を見て歩いて石坂を下り、
チェコ一の観光名所カレル橋へ。
両側にさまざまな彫刻が並ぶ歩行者専用の長い石橋。
下を流れる大河はモルダワ川。
スメタナはドボルザークとともにチェコの国民的音楽家だ。
橋を渡るとにぎやかな旧市街で
居酒屋に囲まれた石畳の広場のそこかしこに大道芸人が出ている。
昼食後、バスで添乗員といっしょに
ドイツのドレスデンの教会に行くか
ここで自由行動にするかの選択になる。
圧倒的に添乗員といっしょを選ぶ人が多い。
もちろん、ぼくと岩城さんは自由行動。
ホテルでの夕飯もキャンセルして
自分たちで帰ることにする。
20人の団体で歩くのと2人で歩くのでは
すべての景色が違う。
また、自分たち自体が景色にとけこめる。
まずガラスの店へ。
チェコはかってはボヘミア。
ボヘミアングラスが名物。ただし、見るだけだが。
ガラクタ市場を見て、カレル橋を渡り返し、
聖ミクラーシュ教会に入る。
モーツァルトゆかりの寺院。
どこもそうだが、天井の高さに驚く。
夕方、広場の外の席でソーセージとビールで夕食。
夜8時からはぼくのリクエストで
国立マリオネット劇場へ。
人形劇はチェコの名物で、土産物屋にはたいてい
あやつり人形が置いてある。
岩城さんも子ども世界で仕事している人だから
当然つきあってくれる。
だしものは「ドン・ジョバンニ」。
モーツァルトがチェコで書き、自らタクトを握って
プラハで初演したオペラ。
ここでほぼ毎晩のようにやっていて、
もう7,000回上演されているそうだ。
お客も世界中から来ている。
イタリア語のオペラにあわせて、人形たちが動き回る。
浮気な男の話だから、当然子ども向きではないし、
ことばは全然わからないが、あちこちで動きで
笑わせてくれる。
見られてよかった。
終ったら、もう10時近い。
幸い、ホテルは地下鉄の駅から近いので
市内から地下鉄で帰る。
途中、一回乗り換え。
初めての町で乗り物に乗るのは
ことばも字もわからない状態だから
緊張する。
とくに地下鉄は景色で方向を判断できないからなおさらだ。
とはいえ、なにごともなく帰れた。
長い一日だった。
寝るのみ。