図書館de落語会

昨夜帰ってきた時は晴れていたのに
起きたら外は銀世界だった。
雪がドガチャカ降って道に積もっていく。
改めて昨日は本当に運が良かったと思うのだが
喜んでばかりもいられない。
今日は小淵沢の友人達が中心になって
長坂図書館2階のホールで落語会がある。
ずいぶん前から宣伝していて
予約で320人に達し、早く行かないと
駐車場に入れないかも?
と心配していたくらいだった。
それがこの雪。
当然、車を出したくないから
キャンセルがたくさん出そう。
お昼に行く。
1時半開演だが、固定座席のホールに
客は100人と少しになっていた。
ほんとにアンラッキー。
しかし出演者は粒揃い。
まず地元小淵沢の酔亭化枝師匠は
ぼくのプークでの物語ライブに
ゲストで来て語りをやってもらったこともある。
今も夏休みの1日、夜に小淵沢の図書館で
いっしょにお化け話の会をやっている。
上方落語。大きな目を剥くと
それだけで笑いがとれる人。
「動物園」は虎の仕草がほんとに虎だった。
それから女流の参遊亭小遊さん。
自作の「目黒の惚れ薬」の他
オートハープ漫談が楽しかった。
そしてトリはこれも女流のぽんぽん亭遊月さん。
化枝師匠同様、プークのゲストに来て
もらったことがある。
本名の棗田真澄の名で。
本当に達者で笑える民話は大笑い。
怖い話は本当に背筋を寒くさせた。
今回、毎年大阪で行われる
社会人落語日本一決定戦(150人くらいの
芸自慢が参加し、決勝に残った10人が
大ホールで一席語る。
審査員長は桂文枝)で2023年に見事優勝し
「名人」の称号を得た。
ぼくはプークの時、なんとかこの人に
語りの世界に来ていただきたいと
強く思ったが
落語の日本一になってしまっては
さすがにもう、そっちの世界の人だ。
本当にすごい。
今日は決勝で披露して優勝を勝ち取った新作
「社会人ピアノ日本一決定戦」。
ピアノを弾きながら語る場面が続く間、
体は横に向けて顔だけ客の方に向けて
語る趣向がとても面白かった。
本職がピアノの調律師の人ならではの自作の話。
トリネタは「陸奥間違い」
演題を見た時は
知らない話だなあと思ったが
講談の「三方目出鯛」の落語バージョンだった。
これはぼくも時々語る話だが
落語バージョンの方が笑いも多く
また遊月さんだから、本当に面白い。
言葉の粒が揃って立っている。
本寸法の落語会だった。
スタッフは雪で空席が
目立ったことを悔しがっていたが
これはどうしようもない。
「来年またやればきっと笑い話になるよ」と
慰めるばかり。
3人の落語家に挨拶をして
雪道を家に戻る。
雪かき。
夕方、除雪車が入ってくれて
道はずいぶん楽になった。