うちの二軒となりの建物は人が住んでおらず、ふだんはしまっている。
トタンの小さい建物だ。
だが、たまにあく。
ここは有志で作っている私設天文台で、なんと屋根が開閉する。
初めて、屋根があいているのを見たときはびっくりした。
今日、車が数台停まって、人の声がしたので
前を通った時に声をかけてみた。
「今夜はなにが見えるんですか?」
だいたい、火星が接近したとか、なんとか彗星が来たとか
夜空でなにかがあるときにみんな集まってくるのだ。
はたして、昔、天文少年だったおじさんたちが
とくとくと説明してくれた。
お目当てはペルセウス座流星群だった。
月もないので絶好のコンディションだと言う。
だが、今日は雲が多い。
一応、時間や方角の説明など教わったが、これは今夜はだめかもしれない。
そうしたら、おもしろい話を聞いた。
流れ星を見たら消える前に望みを三回言うと願いが叶うという話がある。
で、ペルセウス座流星群はとくに願いが叶いやすいというのだ!
思わず「ほんとですか!」と、つっこんだ。
その人はそれで宝くじを当てたのだそうだ。
流れ星に宝くじの当選を祈ったのか…
でも、これはいただきだ。
望みのかないやすい流れ星と、そうでない流れ星があるとは…。
新しい話が作れそう。メモしておこう。