あいことばは名探偵&近藤眞庸さん

偕成社の名探偵ミルキーのシリーズは、今、
新刊「あいことばは名探偵」が書店で発売中。
ついに節目の20巻目ということで
巻末に今までの20冊の中から
「石頭けいぶがえらぶミルキーが解決した
おもいでの事件ベストテン」というのを載せた。
そのために今までの本に全部
もう一度、目を通して、選ぶのは
楽しい作業だった。
原稿を書くのに手を抜きはしないが
そうは言っても、あとから見返して
「これはよくできた。ここはこうした方がよかったかも」という
感想が自分なりにないわけではない。
人には言わないけれど。
 だからこのベストテンは自分で選んだ傑作選ということになる。近藤眞庸さんは大学の先生。
著書もたくさんある。
勤め先は岐阜とか名古屋とかあっちなのだけれど、
小淵沢に家があって、ときどき戻ってくる。
ひさしぶりにいっしょにランチでも食べようということになって
近くにあるトルコ料理レストランのアシハナにでかけた。

健康とか保健とかが専門らしい。
らしいというのは、いわゆる、ぼくらが教わった学校の保健とか健康とかの
範疇からすでに大きく飛び出しているようで
ぼくがそのつもりで尋ねると、心外そうな顔で
自分のやっていることを説明してくれる。
あちこちの学校で「エイズ」「薬物」「性教育」「いじめ」とか
そんな話をすることが多いそうで、もっと大きくくくると
幸福論とか人生論とかになっていくが、
どうしたら、健康になれるかとか技術をあげられるかとかについて、
常に具体的なアドバイスをしてくれる。

その具体的なアドバイスが目からうろこの話が多くて
とてもおもしろかった。
どうしたら、高校野球のチームは強くなれるかという話は
このところ、アメフトやボクシングやスポーツ界の上の方が
精神論だけで具体的な指導がまったくできていないだけに
ひとつひとつ納得だった。
  
 どうしたら試験でいい点がとれるようになるか、という勉強法の
アドバイスも、ぼくらは子どもの頃、学校で勉強の仕方というのは
教わらなかったし、ただ、先生が黒板に書いたことをノートに写すのが
勉強というものだと思い込んでいた。
 それは全然違うことだとよくわかった。
自分でものを考える人の話は、ほんとうに生き生きしていて
聞いていて楽しい。
いい時間をいただいた。