今年の十大ニュース

今年もたくさんのものを見て聞いて泣いたりおこったり笑ったりした。
その中から心に残ったもの。

10位 三月にウィーンの美術史美術館で見たブリューゲルの「雪中の狩人」。
   小学生の時の図工の教科書に「暖色・寒色」のサンプルとして
   載っていたので知っている絵。もちろん寒色の代表。
   この寒々しさはどうだ。
   他にフェルメールもあったがブリューゲルの部屋だけで満足。

9位  お江戸日本橋をふりだしに毎年四月の歩き旅がとうとう長崎に届いた。
   よく歩いた。五年がかりだ。以後、新幹線に乗って車窓を見ていると
   必ずどこかで自分がてくてく歩いた道が見えてきて嬉しくなる。
   道だけでなく、そこを歩いている少し若い自分が見える気がするのが不思議。

8位 二月に見たピョンチャンオリンピックの女子カーリング。
   あれだけ笑顔が多く出る競技を見たことがない。
  審判がいなくて勝ち負けを自分たちで判断して進めていくというのもとても新鮮。

7位 二月にものがたりライブで呼ばれて行った岐阜のメディアコスモス。
  岐阜の中央図書館のことだが
  一日の利用者が4000人から5000人。家族連れもカップルも大勢行きかって
  まるでイオンにいるよう。その売り場が書架にかわっているだけ。
  すべてが円形の書架で、フロアのあちこちに本の丸い島がある。
  中にコンビニも入って食べるところもあちこちにあり、
 「滞在型の図書館」というモットー通りになっている。すばらしい。

6位 三月にスマホを買った。アイフォン。
  マップ機能のおかげで旅で迷うことがなくなった。
  電車の時刻表も見られる。
  本も電子本を買うと電車の中で大きい字で読める。
  ニュースも読める。
  これなしでやっていけなくなるくらい、便利。
  ただし、ゲームをはじめ、時間つぶしには最高だが
  その時間つぶしをスマホに頼るようになると堕落が始まりそうだ。
  「使う時だけだす」というつきあいにしている。

5位 「耳なし芳一」「安寿と厨子王」の二話をレパートリーに加えた。
   古い話を語る時、もともととてもよくできた話は
   先人をリスペクトしつつ、そのまま語る。
   直した方がよくなると思ったものは直せたら語る。
   有名でもつまらないと思ったものは語らない。
   直してもよくならないと思うものはそもそも語らない。
   このふたつの話はネームバリューは十分だし、おもしろいが
  釈然としないところがあるので自分なりに手を入れようと決めた。
  で、「耳なし芳一」は耳をとられる理由に整合性をつけられたし、
   「安寿と厨子王」は誰がほんとうの主人公なのかという
   新しい視点をだせたように思う。
   こういう仕事は楽しい。
   
   
4位 十月に三重県の紀宝町の中学校でものがたりライブをさせてもらった。
  五年連続で町内のすべて五つの小学校におじゃましているが、いきなり中学生は
  むずかしいと敬遠していた。だが、三年続けると、小学校で聞いた子がすべて
  同じ校区の中学校に行っていることになる。
  するとものがたりを聞くのは楽しいという思い出をてがかりに
  中学生ならではのもっとレベルアップした話をいっしょに楽しめるかもしれない。
  というわけで紀宝町の図書館の館長さんの熱心な要請もあって中学校で
  学年別に話をさせてもらった。
  どっとうけて、とても嬉しかった。

 あとの三つはまた明日。
 うちは暮れの三十日と三十一日はきりたんぽ鍋を食べるというのが  
 なぜかこの数年、習慣になっている。
 さっき、契約していつも買っている秋田の農場から 
 きりたんぽが届いた。