自分の正月

毎年1月4日は自分だけのためのぜいたくな日。

朝、新宿から地下鉄で蔵前へ。
歩いて浅草へ。
雷門からにぎわう仲見世を抜け、観音様にお参り。
うらへ抜けて馬道から言問橋を渡り、向島へ。
今日もおだやかでうらうらしたいい日だ。
ここでいつも長命寺の桜餅か言問い団子のどちらかを食べる。
どちらも好きだが両方は甘すぎる。
今年は桜餅にする。
 しっとりした、とてもいい餡だ。
以前は塩の利いた桜の葉もいっしょに食べていたが
塩味が強すぎるように思えて、今はむいて食べている。

検番通りでひきかえして11時から浅草歌舞伎。
「戻り駕籠」「義賢最期」「芋堀長者」の三本立て。
松也の義賢の立ち回りが豪快すぎるくらい豪快で気持ちいい。
坂東巳之助の「芋堀踊り」がおかしい。
巳之助は好きだ。
「芋堀長者」は長者の娘の婿取りを
一番踊りが上手な男にするというので、男たちが次々に
立候補して踊るという、民話のような展開。
 ところが娘を恋している主人公男は踊りが踊れない。
むりやり踊っているうちに、つい本業の芋ほりのしぐさになってしまう。
ところがその踊りが気に入られて、婿になるという話。
こういうの大好きだ。
最期は全員で芋ほり踊り。にぎやかでいい。
また見たい。

浅草から秋葉原経由で水道橋の東京ドームへ。
新日本プロレスの「1.4東京ドーム大会」。
大入りで三階席の上の方まで入っている。
3万人以上。
第一試合からウィル・オスプレイ対飯伏幸太という
メイン級の試合。
新日本は層が厚すぎる。
オカダが負けるなんて…。
内藤哲也とクリスジェリコの試合が一番スリリングでおもしろかった。
デスティーノは華のある大技だ。
ぼくの真後ろに母親と幼稚園児の男の子がすわって
声をあげて応援していた。
それだけでも驚くが
男の子が技の名をたくさん知っていて「あ、膝が入った!」とか
「関節決まった!」とかいうのに仰天。

夜遅く、先代馬生の落語を聞きながら、車で小淵沢に戻る。
「あくび指南」とか「目黒のさんま」とか軽い話に
艶があって絶品。
でも、子どもの頃、生で聞いているがその頃はわからなかったなあ。
ぜいたくな一日終了。
着いた時は日付が変わっていた。