棚の本

ぼくの書斎は正面が机でガラス越しに庭、
左は本棚、後ろも本棚で
回転いすをひねれば、立たずに本が取れるようになっている。
コックピットに入る感じ。
右は机がもう一つ並んでいて、当初は左の机をパソコン用、
右の机を手書き用とわけるつもりだったが、
手書き用と言うのはふだんなにも置いていないということなので
すぐに書類と本の置き場になってしまう。
ときどき整理して平らな面を出してやらなければならない。

で、本棚が近いのでちょっとした気分転換に
くるっといすをひねって、適当な本をひっぱりだして読む。
右の床下には足載せ台があって、そういうときは足を伸ばして
楽に読む。

だから、お堅い本は本棚の上の方に行ってしまって
一番とりやすい高さにはお手軽な本ばかり集まっている。
どこから読み始めてどこで終ってもいい。
たとえば角川文庫の外国の小話本の
「ポケットジョーク」が全23冊。
昭和30年発行の外国の小話の本「セックスティーン」が20冊。
ちくま文庫の松谷みよ子編の「現代民話考」12冊。
どれも今は古本屋でしか買えないもの。
それに「星新一のショートショート1001全集」。
どれもしおりをはさまず、ぱっと開いたところを数ページ
読んで元に戻すという読み方をしている。
 最初から順に読むと、既読か未読かということになって
全部読まないといけないという変な義務感がうまれるが、
途中から読んで途中でやめる読み方だと
終わりがないので永遠に楽しめる。
気分転換以上のことは考えていないので
この読み方は気楽だ。